
お客さまは「照れてるの? 可愛いね」と好意的に受け取ってくれていますが、正直そう言われるほど恥ずかしくなって余計に目を合わせられなくなってしまいます。どうしたら克服できますか?

私も緊張しいで、割と人見知りなところもあり悩んでいた時期もありました。
そんな私から、自分自身の経験も交えてアドバイスをさせてもらうなら、わざわざ頑張ってお客さまと目を合わせて話す必要はないと思います。
……意外でしたか? でも、考えてみてください。ムリに視線を合わせようと意識するとあなたが緊張するだけでなく、相手にもプレッシャーを与えてしまうかも知れませんよね。
とは言ってみたものの、極端に違う方向を見ていたり、目が泳いでいたりするとさすがに印象が悪くなってしまいがちです。

とお客さまに思われてしまっては、絶対にリピートしてもらえません。
では、どうすれば目線を合わせずに好印象な接客ができるのでしょうか? このコラムでは、そんな場合の上手な対処法をご紹介したいと思います。
目線を合わせられない女性は「セラピスト向き」
目線を合わせることが苦手な人は、いい意味で相手のことを気にしすぎる人です。
日本では昔から相手を思いやり、配慮しながら接する「優しさ」が美徳とされてきました。これは現代でも、世界中から好意を持たれている日本文化の伝統ですよね。
「思いやる」「察する」というのは、相手のことを「推測」するということです。
こんな風にしてあげたら喜ぶから、先回りしてやってあげよう
こんな言われ方をしたら傷つくだろうから、言わないでおこう
そんな風に察することができる人は、セラピストの素質に恵まれている人です。
「察する」というのは、先んじて推測を行為に変換すること。
実際に相手の目を見なくても、相手が望む対応をとることは十分できます。
目線を合わせられない性格は、むしろ「長所」にもなります。まずは覚えておいてください。
こちらの記事もチェック
目が合っている「フリ」をするだけでOK

はい。では、リアルにメンズエステでお客様に接するときに役立つ実践的な方法をご紹介しましょう。
それは、目が合っている「体(てい)」を心がけることです!
本当は目線が合っていなくても、目線が合っているようにお客様に思ってもらうことが大切。具体的には、「眉間」を見るのが一番。鼻だと目線が下がってくると不自然になってしまうので、眉間辺りを見ておくのがちょうどいいです。
実はこれ、アナウンサーなんかが長時間インタビューするときに使っているテクニックで、「アイコンタクトの錯覚」という現象を応用しているそうです。
「アイコンタクトの錯覚」とは何かをざっくり説明しておくと「人間は話している相手が自分の目を見ているのかどうかを判断しにくい」ということ。オーストラリアの某大学の研究チームが、この説が正しいことを実験によって証明しました。
実験では、男女合わせて46人の大学生とそれぞれ4分間の初対面での会話を行い、学生の半数とは会話中に積極的にアイコンタクトを交わし、残りの半数は相手の口の辺りに視線を集めるように意識したと言います。
そして終了後、被験者に「どのくらい目が合ったか」「会話はどのくらい楽しかったか」を質問しました。その結果は……おわかりですよね。どちらのグループも、アイコンタクトを十分受け取り、会話も楽しかったと答えたということです!
こちらの記事もチェック
人見知りなお客様が来店したときの対処法
あるセラピストさんからいただいた相談をご紹介します。
私は無口なお客様を接客するのが苦手です。
お客様の中にも人見知りな方もいるのは理解しています。でも、こちらから「今日は暑かったですね」など言っても『そうですね……』だけで話が終わってキャッチボールが続かない方も多く、緊張するし気まずくなってしまいます。
施術中にお客様と会話が弾まないとき、どう対応すればいいのでしょうか?
人見知りで悩んでいるのはセラピストだけではありません。お客様の中にも、シャイで人見知りな人はいらっしゃいます。
施術中にお客様と会話が弾まないと気まずくなってしまいますよね。でも、そんなときに焦るのは禁物です!
お客様がどんなに無口だったとしても、セラピストまで
「お客様と話さなくちゃ」と焦ってしまう
こんな反応をしてしまうのは、かえって逆効果。
だって、メンズエステのコンセプトを考えてみてください。
お客様は非日常の空間で癒されくてメンズエステにいらっしゃるのですから

と思われてしまった時点で「負け」です。むしろ、それよりも

と思ってもらった方が得。そうすれば、無口だったお客様も少しずつお話をしてくれるようになるでしょう。そして、一度心を許したお客様はきっとあなたのリピーターとしてついてくれるようになるはずです。
どうしても沈国に耐えきれない場合は、下記の「鉄板トークネタ」を参照してみてください。
話題 | 会話のポイント |
マッサージの話 | 施術で期待できる効果やオイルの効用などの知識を交えてトークを展開する |
好きな食べ物 | 「ランチは何を召し上がりましたか?」などの質問を投げかけ、好物の話題に展開する |
休日の過ごし方 | 休みの事情をさりげなく聞き出して、そこから趣味の話題へ持っていく |
出身地について | お客様の出身地を聞き、行ったことがある場所なら共通の話題を展開。自分の出身地の話も可能な範囲で展開する |
最も会話を広げやすいのは「マッサージの話題」です。
色んな話題を振っても会話がどうしても途切れる場合は、マッサージのお話をするのが無難。
例えば、
・使っているオイルについての説明
・施術にどんな効果が期待できるか
・体のどこが一番凝っているか
といった内容なら、気軽にお話ができますよね。
マッサージ関連の話題なら興味を示してくれるでしょうし、セラピストさんも施術に集中できるのがメリットです。
「施術にどんな効果が期待できるか」については、マッサージをしながら

といった自然な流れでトークを展開するのがいいでしょう。さらに――

などの声掛けを適度に交えると好感度がアップしますよ!
まとめ
この実験からも、人間の目線なんて実はいい加減なものだとわかりますよね。
冒頭で触れた「人の目を見て話しなさい」という言葉、あれだって考えてみれば心の中に何かやましいことがあるからそう言われるわけで、メンズエステの施術中なんてお客さまに対してやましいことなんてないはずだから、目線を合わせなくたってオッケー。
それでも、目線を合わせられない自分をどうしても克服したいというのなら、まずは身近な人で練習してみるのがいいと思います。
例えば、家族や飼っているペットだとか。それもムリなら、ヌイグルミを相手にするのだってあり。とりあえず、目を合わせることへの苦手意識が少しでもなくなれば大きな一歩前進ですよ!