メンズエステには「ディープリンパ」と呼ばれる施術があります。
「ディープリンパ」は一般エステでは深層リンパへのマッサージを指しますが、メンズエステでは鼠径部(そけいぶ)へアプローチする施術を意味します。
「リンパ」というのはそもそも、体内の老廃物を運ぶ役割を担っています。人間の体内には毛細血管が張り巡らされており、そこから周囲の細胞に水分やタンパク質などの老廃物が絶えず漏れ出しています。その老廃物を心臓に向かって運ぶ役割を果たしているのが「リンパ液」。リンパ球という白血球の一種を含む液体です。
このリンパ液が流れる管を「リンパ管」と言い、血管と同じく、ほぼ全身に分布しています。さらに、リンパ管には「リンパ節」という箇所があり、血液内に細菌などの不純物質を入れないためのダムとして機能しています。そのため、リンパ節は疲労物質や脂肪などの老廃物が集まりやすい場所なのです。
通常、リンパ液は筋肉を動きに伴って体内を流れます。しかし運動不足だったり、長時間同じ体勢をとっていたりするとリンパ液流れが滞って、リンパ節に老廃物が溜まってしまいます。この「コリ」をほぐして改善するのが、リンパドレナージュの役割です。
体内にはワキの下や脚の付け根、頸(くび)などいたる箇所に大きなリンパ節がありますが、なかでもリンパ節が集中しているのが「鼠径部」だと言われています。鼠径部とは、足の付け根の溝の内側にある三角形状の下腹部の部分のこと。下図で示す通り、下腹部の左右外側、性器との境界にあたる部分にあります。
ここを股関節のキワまで入念にマッサージして、リンパ液の流れを良くするのが「ディープリンパ」という施術です。
つまり、メンズエステにおけるディープリンパには「深層リンパ」以外に、文字通り「ディープな(=きわどい)部位」へのリンパドレナージュといった意味も含まれているというわけなのです。
リンパマッサージは刺激的な施術ですが、その醍醐味は施術ポーズ(体位)によってさらに倍増します。
ここではおすすめの体位を3つご紹介します。
【うつ伏せカエル足】
うつ伏せになった男性の片脚を曲げ、セラピストがその状態で股間節を揉みほぐしていきます。このとき、男性の格好がカエルのように見えることからこう名付けられています。
【四つん這い】
背後が無防備になってしまう四つん這い。大抵の男性にとっては恥ずかしいポーズですが、鼠径部にアプローチしやすいため、しっかりとマッサージして欲しいときにはぴったりです。
一般的に、セラピストの手が局部に当たってしまう「事故」が起きやすいポーズともされているようです。
【側位(そくい)】
男性が横向きに寝て、下の脚は伸ばしたまま上側の脚だけを折り曲げる体勢。四つん這いの施術後、このポーズに移行するパターンが多いようです。
セラピストは腰に密着する姿勢で股間から手を入れて、お腹の辺りをトリートメントします。鼠径部と腹部を同時にマッサージされるため、かなりリラックスした気分が味わえますよ。